心理学とか脳科学とかって、面白いですよねー。自分や他人の不思議な行動や、あるある行動を、学術的に解説されるというのは面白いものです。
むかし、心理学の実験で子どものおもちゃに対する執着実験を読みました。心理学好きな人なら聞いたことはあると思いますが、禁止されると人は物への好感度があがります。私が読んだ実験内容は、2番目に好きなおもちゃで遊ぶのを禁止してから、改めて好きなおもちゃを聞くと2番目に好きなおもちゃは1位に昇格するという実験です。
その実験とは別に、優しく取り上げる(禁止)したおもちゃについては、好感度がさがるという内容のコラムを読んでびっくりしました。そんなこともあるんですね。
禁止されたおもちゃに対する心の動き
禁止したおもちゃを好きになったり嫌いになったりするのは何故でしょう。この心の動きは、なかなか参考になります。
- 厳しく禁止(本人の意思を無視)
- 人から無理やり止めさせられた
- 本当はもっと遊びたかった
- なぜならそのおもちゃのことを好きだからだ
- 好感度アップ
と、本来の好きな度合いに対して、禁止されたことで好感度があがります。「もっと遊びたかった=すごく好き」と勘違い感情から好感度があがります。逆に優しく禁止されるとどうでしょう。
- 優しく禁止(本人の意志にまかせる)
- 自分で遊ぶのを止める
- 自分から遊ばなくなった
- なぜならそこまで面白くなかったからだ
- 好感度ダウン
先ほどのパターンとまるで逆です。おもちゃとは本来おもしろいもので、遊び続けられるものです。ところが、自分で遊ぶのをやめてしまった。(その前に親からやめなさいと言われていても関係ありません)自力で遊ぶことをやめることができたことがポイントです。
なぜおもしろいはずのおもちゃで遊ぶことをやめることができたのか・・・そうか!実はこのおもちゃはおもしろくないんだ
と、こちらも勘違い感情から好感度が下がるのです。
自分の置かれた状況にもっともらしい理由をつけたがる
人っていうのは、理由がなくても理由がほしい生き物らしいです。
おもちゃの実験でも、おもちゃに対する好感度なんて実は変わっていないはずなのに、人から禁止されたら、すごく好きだったもののように感じるし、自分でやめたら、そんなに好きなものでもなかった、と思ったりするものです。
子育てとはちょっと話がズレますが、ダメンズにハマる人もこの心理に似ていると思います。
「これだけダメな男なのに側にいたいと思えるのは、それだけこの愛が本物だから!」
たぶん、錯覚だし勘違いなので早く目をさましたほうがいいです。子育て系の勘違いや錯覚の例をあげるなら教育ママも陥りやすいかもしれません。簡単に入れる公立校よりも、苦労して入ったお受験校への愛好精神は高まります。また、おけいこごとでスイミングとピアノのどちらかしか選べなかった時にピアノを選んだとして・・・
「よく考えたらスイミングっておけいことしてはイマイチだったわ」
と、スイミングに対する自分自身の好感度を下げて、ピアノがより優位だったと思い込もうとするのです。
いつも自分の行動に「こじつけ理由」をつけていないだろうか?と一呼吸おいて考えることで、おかしな回り道をしていないか振り返ることができます。不思議な事ですが自分自身すら疑いの対象として見ないといけない場合もあるということです。
勉強好きにさせるには勉強を禁止する?!
最初のおもちゃの実験から、厳しく禁止されると好きになるという実験結果がありました。
では、勉強好きにさせるには勉強を禁止すればいいのでしょうか?
育児ブログを読んでいた時に似たようなテクニックを実践している方がいました。ちょっと忘れてしまったけど、通信教育でそういった指導をされているプログラムがあるそうです。その内容を紹介していました。内容はだいたいこんな感じです。
- 勉強を一緒にする(ワーク系ドリルなど)
- 集中力がきれるより前に切り上げる
- その日はもう勉強させない
例えば15分でドリルを飽きるようなら10分だけ勉強して終了とします。目安は子どもが「もっとー」と言うくらいです。
禁止と言っても、最初から全て禁止しては勉強が何かも理解できません。毎日少しずつ勉強をする習慣はつけつつ、お腹いっぱいになる前に禁止することで勉強好きにさせるのだそうです。チビヒメがドリルに取り掛かれるようになったら試してみようかとは思いますが、切り上げのタイミングを決めるのはなかなか難しそうですね。
勉強をみるのが面倒だからと言って、「キリの良いところでやめなさいねー」なんて優しく言い放しにすると勉強嫌いになるかもしれませんね(^_^;)どっちも難しいなぁ。
<参考図書>